広報をしていると、マスコミとのコミュニケーションは欠かせないですね。
通常、広報はマスコミに対してニュースリリースや自社情報を送り記事にしてもらいます。
つまり営業のように、マスコミに対して情報を売り込むのが仕事です。
そのためマスコミに対して、自身の立場を下に捉えている広報担当者もいるようです。
とはいえ、広報とマスコミの関係は対等であるのがベストです。今回はマスコミと広報の立場について、さらに営業のノウハウを広報にいかす方法をお伝えします。
広報とマスコミに上下関係はあるのか
広報は営業のように、マスコミに対して情報を売り込む業務を行っています。
メディアに掲載されるためにはマスコミに取材に来てもらうことが必須であるためです。
ともすればマスコミに「記事にしてください」とお願いする立場だと思ってしまいがちですが、決してマスコミにこびる必要はありません。広報とマスコミは対等な立場にあるべきなのです。
Win-Winの関係でより良い記事を
マスコミは報道することが仕事です。
媒体によって内容や目的は変わりますが、求めているものは『情報』です。マスコミは絶えず情報を探しアンテナを張っています。
一方広報は情報を発信することが仕事です。
広報が発信する情報がマスコミの求めているものであれば、こちらはメディア掲載につながり、相手は情報を探す手間が省けます。
また、記事が評判になればマスコミにとってもありがたいはずです。
広報とマスコミは、どちらも読者(広報にとっては消費者)のためにより良い記事を作成したいと思っています。
広報が「お願いして」記事を書いてもらうのではなく、相手の望む情報を発信できれば、お互いにメリットがあるというわけです。
このように広報とマスコミとは対等な立場で、Win-Winの関係で築けるのが一番なのです。
近からず、遠からず。程よい関係を保とう
先ほども書いたように、広報とマスコミはWin-Winの関係が一番です。
しかし、マスコミが記事にするのはこちらの望んだ情報だけではありません。
製品・サービスの不具合や自社の不祥事も報道されてしまう可能性があります。その場合はWin-Winの関係というわけにはいきませんね。
『右手で握手、左手にナイフ』という言葉があります。
マスコミとは普段から仲良くしたいところですが、お互いの業務に忠実であればこそ、ある程度節度と緊張感をもった関係を築いていきたいですね。そのためにも、お互いに価値のある情報を発信できるようにしていきましょう。
広報と営業の共通点
広報と営業、まったく違うように思える二つの職種ですが、広報と営業の仕事は近いものがあります。
共通しているのは営業はモノを、広報は情報を売り込む。という点ですね。
マスコミが「欲しい!」と思うような情報を売り込むためには、ノウハウも必要です。
モノを売るプロフェッショナルである営業のノウハウは、広報に応用できるものがたくさんあります。では、営業のノウハウを広報にいかす方法を見てみましょう。
1 : 新規顧客の開拓、アポイントを取る
営業はまず、新規顧客の獲得から始まります。FAXやメール、電話、郵送、面会、イベントなどの方法があります。広報の場合、アポ無しの面会は忙しいマスコミの記者には迷惑になってしまう場合があります。気を付けましょう。
まずは普段から雑誌や新聞の記者名をチェックしておきましょう。連絡を取りたい人が見つかったら、メール、電話などで記事を読んだ感想を伝えましょう。同時に「弊社では今、記事にあった業界でこのような製品を開発しておりまして」とつなげると記者も興味をもってくれるでしょう。直接会う約束を取り付けられれば最高です。
2 : 準備
訪問や面談の約束が取れたら、訪問の準備をしましょう。
- 今までに掲載した記事、興味のある業界
- 相手の求めていると思う情報
- 趣味などの好みがわかれば、その趣味に関する情報、同じ趣味がある社員
など、相手の記者が何を考え、どのような情報を求めているのかをあらかじめリサーチしておきます。また、自社のことでは
- 今どのようなニュースがあるのか
- 今後会社はどのような展開になっていくのか
- 業界のトレンド、展望
など。自社のことは何を聞かれても答えられるようにしておきたいですね。
3 : ヒアリング、ニーズ把握
実際に訪問したら、逸る気持ちをぐっとこらえて相手の話を聞くことに徹しましょう。
世間話から業界のこと、調べてきた今までの記事の感想や、趣味の話など。
その中で相手の記事に対するニーズを探り、手もちの情報から相手の気になりそうな情報を提案します。実際の会話の中から関連したキーワードを使って提案ができれば、記者も興味をもってもらえるでしょう。
4 : フォロー・リピートの獲得
訪問の後は、当日の議事録を作成してお礼とともにメールをしておきます。
次回訪問のお約束や、当日話題に上ったことを記入しておけば後々自分の備忘録としても役立ちます。
たとえ今回直接の記事につながらなくても、いつかはご縁ができるかもしれません。
記者とは長いお付き合いができるようにしたいですね。
まとめ
営業と広報はとても似ています。
営業では『Give, give, give, give, give……and Take』といわれます。
広報もまた同じで、常に見返りを求めず『Give』の精神でいることが大切です。
とはいえ、マスコミと広報お互いにとって必要な情報がやり取りできれば一番です。
今回お伝えした営業のノウハウを広報活動に役立て、Win-Winの関係を目指しましょう。