メディア記者からの電話対応は、広報担当者の基本です。
広報担当者のみなさま、さてどんな点に気をつけるべきかわかりますか?
今さら知らないと言えない、電話対応についての心得と、抑えるべき電話対応のポイントをおさらいしましょう。
記者からの取材要請ではポジティブとネガティブな案件とありますが、今回はポジティブな取材要請の場合でお送りします。
メディアに対応する心得
まず、広報担当者のメディア対応の心得について、今一度お伝えしたいと思います。
なぜなら、この心得があるとないとでは、言葉使いも変わってくるためです。ちょっとした気遣いで、記者への印象はガラッと変わります。
意外とメディアの立場を理解していない人も多いので、まずはメディアについて知っておきましょう。
メディアについて
メディアとは、社会において自社と顧客以外の第三者の声として存在します。
そして視聴者や読者的には、一般社会の代表する声を伝えてくれる存在と見られています。
そのメディアから取材を受けたのち、実際に新聞や雑誌に掲載されると、自社について第三者の目線から伝えてくれることにつながります。
企業が自社商品をアピールするのはどう見ても単なる宣伝ですが、そこへメディアが「この会社のこの製品は使い勝手が良い」などと評価すると、信頼性、信憑性が何も言わずともプラスされるわけです。
お金を払わなくても報道してくれる、とコスパの面で見る経営者も多いでしょうが、コスパだけではなく、金が絡んでいないからこそ信頼がおける記事であると視聴者は見るわけです。
ちなみにお金が絡んだマーケティング広報というものも存在しますが、やはりお金が絡むと視聴者にもわかるのですね。信頼はかなり薄れてしまいます。今後はマーケティング広報は縮小していくと思われます。
インタビューの前提を理解する
主導権はすべてメディアにあるという前提をまず理解しておきましょう。
以下はよく勘違いしがちなメディア対応をあげています。
必ずしも記事にはならない
インタビューは、「必ずしも記事にならない」ということを理解しなければなりません。
実際に取材されても記事になるかは、メディア側の判断によるのです。
取材に来る記者も組織の一員ですから、記者の上にはデスクがおり、記事掲載の判断はこのデスクにかかっています。
時にはインタビューの企画を見て、掲載する価値かあるかどうかを見極め、書き直しや却下ということもあり得ます。
こちらが望む記事など書いてくれない
再び言いますが、主導権はメディアです。
記者は客観的に見て、社会の課題解決をしてくれるネタを探しているだけ。ですから、こちらの商品をアピールしようと思ってきているわけではないのです。
ですから、自社の思うような記事を書いてもらえると思ってはいけません。
また、インタビュー相手の企業をあまりに賞賛している内容も嫌われやすい傾向にありますから、自社商品のアピールのあまり「こう書いてくれ」と頼むのも嫌がられます。
確認はさせてもらえない
業界紙や専門誌、雑誌では原稿の確認を見せてもらえることも多いのですが、ほとんど一般メディアでは、原稿を見せてもらえたり、どのような露出をするのか確認することはできません。
「見せてほしい」と要望を出すことは「検閲」だとして嫌われますので、メディア側から確認してくれ、と言われない限りはやめましょう。
メディアが来て話を聞いてくれると、すでに記事になったも同然といった気持ちになりますが、そうではありません。こちらもメディアと記者の立場を理解することが、メディア対応の基本となります。
電話対応のポイントを解説
メディアとは電話での対応が一番多くなります。
記者は大変多忙なため、実際に来て取材することは稀で、電話取材で済ますことも多いもの。
電話対応の基本を押さえて、事実を正確に、手間を取らせないように伝えられるようにしましょう。
誠実に伝える
記者は電話対応に関してプロでもありますから、適当にあしらっているとすぐに見抜かれます。いつでも誠実に対応し、時間がかかるようならあとで折り返すと伝えるなど、先方に時間を取らせないように意識しましょう。
事実を伝える
メディアというのは事実を伝えるものなので、誤情報があってはなりません。
誤情報を掲載したとあっては命取りとも言えます。
担当者自身の意見もあでしょうが、電話取材は公式な見解と捉えられますので、こちらも事実で、正確な情報を伝える義務があります。
曖昧な情報は誤解を生みやすいため、わからない場合は、あとで確認して折り返すようにしましょう。
メモは必須
記者の言うことを間違いなく正確に聞き取り、メモを取りましょう。
電話対応用に、あらかじめ必要事項が書かれたメモを用意しておくと便利です。
以下、電話で必ず確認する項目をあげていますので、参考にしてください。
必須の確認事項
- メディア名
- 記者の名前(所属部署)
- 連絡先の電話(メルアドなど)
- 取材のテーマ
- 取材したい相手(誰にインタビューをしたいのか)
- 質問事項
初めての相手の場合、連絡先、電話番号はきちんと確認しておかないと、連絡が取れなくなることがありますので注意しましょう。
そのほか確認事項
- インタビューしたい理由
- 他社にも同じテーマで取材するか
- 掲載予定日
- 掲載面、コーナー名
これらも合わせて聞くと、よいでしょう。先方がどのような意図で取材をしたいのか、あらかじめ知っておくと、こちらも取材に対して質問の準備もしやすくなるでしょう。
まとめ
今回はポジティブな取材要請の場合、広報担当者のためのメディアに対する心得と、電話対応について解説しました。
メディアがどのような性質を持つものなのかを理解して、メディア記者に好意を持ってもらえると、次の取材にもつながります。ぜひ、実践してみてください。