取材を受けた場合、編集の権限はすべてメディア側にあります。
自社サービスへの好意的な取材ばかりならいいのですが、場合によっては経営内容や事件事故など、自社にとってネガティブな場合もあります。
ですので、メディア側のテーマや意向がどこにあるのかを、まず確認しなければなりません。
今回は、ポジティブな内容での取材申し込みを受けた場合、記者に対して確認すべきポイントや、注意点をご紹介していきます。
取材の種類は3つ
取材の申し込みには大きく三つに分けられます。
- 自社サービス取材
- 重要な経営情報に関する取材
- 事件事故不祥事に関する取材
「自社サービス取材」以外の2点については、危機管理広報になります。
自社サービス取材の場合
まずは、自社サービスの取材申し込みのパターンから。
広報担当者は、取材者する記者が何を求めているのか、企画の趣旨やテーマなどをまず確認しましょう。
取材が自社サービスをアピールできるものであれば良いのですが、場合によってはこちらが意図しない露出の仕方をする場合もあります。取材を受ける時のチェックポイントをあげてみました。
取材申し込みを受けた場合、すぐに相手の言われるがまま受けるのではなく、以下の項目を必ずチェックしてみてください。
- 取材側の情報
- 取材概要
- 取材対象は決まっている?
- 取材希望日時や場所
- 広告との関係があるか?
1.取材側の情報
メディア名、会社名、氏名、電話番号、FAX、メルアドなど。
初めて受けるメディアや、事件・事故がらみの取材申し込みもあるため、まずは相手がどこのメディアなのか確認することが必要です。
2.取材概要
取材のテーマ、掲載日、撮影の有無、準備しておく資料の有無
取材内容のわかる「取材依頼書」があれば、FAXやメールで送ってもらうように頼んでみましょう。
取材には、すでに特集名や、掲載面、番組名などが決まっているような「企画があって取材する場合」と、「取材テーマのみ決まっており、企画のために取材する場合」の2通りがあります。
どちらを望んでいるのかを確認することで、こちらが提案できることを考えていきましょう。ちなみに雑誌の取材であれば、比較的時間に余裕がある場合が多いでしょう。
また、取材は自社のイメージをよくしてくれるばかりではありませんので、内容によっては取材を受けないという判断も必要です。
3.取材対象は決まっているか?
希望する取材対象が何かを確認します。
社長やサービス開発者など、取材相手の希望がすでにある場合と、先方のテーマを聞き、それに最適な人や場所をこちらで選び提案する場合とあります。後者の場合は、広報担当者が本人や現場担当者の了承を得て提案しましょう。
4.取材希望日時や場所
メディアの意向を聞き、取材日時と場所を確認します。
5.広告との関係があるか?
番組によっては、広告と絡んでいるものもあります。時によって「広告費」や「取材費用」を請求されるケースもありますので注意しましょう。
広報担当者は現場に立ち会う
取材時にはメディア側の突然の要請に答える場面も出てきます。
基本的には、記者が取材しやすいように便宜を図っていきます。
万が一のとき、突然の要請があった場合に対応が取れるように、広報担当者は必ず取材現場に立ち会いましょう。
時には露出されては困る内容や誤った情報を訂正する場合のほか、反対に次回の新作情報を加えたりと自社が伝えたい意向に沿うように心がけます。
ただし、メディアに対して必要以上に提案したり、こちらの求める情報の出し方でなければ困るといった行き過ぎた行動をすると、せっかくの取材がなかったことになる可能性もありますので注意が必要です。
記事の事前チェックをする
記事は貴社の判断であったりメディアのテーマにそう必要があるため、こちらの意図しない表現であったり困る内容で書かれることもあります。通常は記事の事前チェックはできませんが、雑誌の場合は事前チェックができることがあるので、一度申し入れてみましょう。
Q&A資料を作っておく
あらかじめ記者から質問事項をもらっておき、それに対するQ&A資料を作成しておくと、あとで「そういう意図ではない!」を防ぐことにもなります。
質問事項は大抵3〜4項目程度ですが、その周辺の情報を聞かれることが多いため、回答の準備をしておくと、とっさの質問にも安心です。
- 主力サービス
- 市場の一般的な情報
- 企業としての経営について
- 専門的に使っている用語の解説
- 直近のトピックスやイベントなど
まとめ
「言ったつもりが伝わっていない」など、こちらの意図と違い、記事や映像として誤った情報が出てしまわないように、広報として最大限の手立てを施しましょう。
企業として取材対応をする時は、自分の発言がもしかしたら誤解を招くかもしれないという緊張感をもって対応しなければなりません。
取材が自社にとっていいアピールができる機会となるように、広報として押さえるべきところは押さえて、取材申し込みを受けてください。