プレスリリースはいくら書いても、記者には基本的に読まれないと思ってください。
いきなり脅すようですが、実際に毎日記者のデスクには、数十通ものプレスリリースが届きますから、山のように届いたプレスリリースの中から目を引き、読んでもらうには、一目で惹きつける独創的な工夫が必要です。
今回はいかにして目立たせ、記者に読んでもらうのか?そのためにやっておきたいたいポイントをお伝えします。
プレスリリースを読んでもらうには?
プレスリリースの作成は、適切な言葉を一つ一つ注意深くつなげ、文章に仕立て上げていくプロセスです。記者に読んでもらうためには、まずは見た目で引きつけなければなりません。そして何を伝えたいのかという強い意図が必要です。
そのために心理学も応用しつつ、具体的に施策しながらより読まれやすくしていきます。
1.装飾や書式設定を駆使する
まずはパッと一眼で惹きつけることが必要です。そのために、パソコンでできる限りの装飾や書式設定で目立つようにしましょう。
「枠で囲む」
「下線を引く」
「字体を変える」
「色をつける」
「図形を書く」
など、書式を変えたり、強調したいところの字の大きさを変更したり、見た時に「一番言いたいこと」が目に入るようにするのがコツです。
2.箇条書きにする
番号や印を使って箇条書きにすると、主張ポイントが明確になります。箇条書きにすると、自然と文章も短くなりますし、簡潔で断定的になるため、記者がざっとななめ読みをした場合でも理解してもらいやすくなります。
今見ている文章もそうですが、ポイントがわかりやすいと思いませんか?
3.小見出しをつける
文章の区切りごとに小見出しをつけ段落をつけると、段落につけられたフレーズごとに一目でその章の主張がわかります。小見出しを目印に、記者が読みたい箇所へピンポイントでスキップすることも可能です。
4.データを記載する
「日本一」「業界初」などの表現は、プレスリリースで必要な要素ですが、必ずその証拠となるバックデータを添付しましょう。バックデータになるのは次のようなものです。
・権威のある人のお墨付き・メッセージ(大学教授や専門家など)
・官公庁や大学など公的機関の証明
・海外関係では、相手側のトップメッセージ、大使館や領事館等のメッセージやコメント。
・上記を裏付ける数字的データのグラフや表
・自社の確かな実験データ
なお、以下はプレスリリース作成時に効果的なサイトです。
「e-stat」政府統計の総合窓口
日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイトです。政府の統計のため裏付け力は強力です。
Googleスカラー
https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja
学術論文のみを検索するサイトです。
5.コピー後を想定した色使いをする
プレスリリースの配信は、 今でもFAXが主流になっています。メディアからメディアへ、または記者が上層部へリリースを送る場合など、FAXで送る場合が多く、コピーをする可能性が高いのため、FAXを想定した配色が必要です。
コピー後に消えてしまう薄い青色などは気をつけて配色しましょう。色の中に文字を抜く場合は、背景色を濃いものにすると、コピーされた後も見やすいので、コントラストを強めにすると効果的です。
6.独創的レイアウト。文章の配置も考える
読んでわかる以外にも、見てわかるようにレイアウトを考える必要があります。
例えば、左詰ばかりにするのではなく、時は文字を中央に寄せたり、写真を左右交互に配置するなどの見た目での工夫をするのです。
左詰ばかりではそれこそ学術論文のようで読む気を失います。少しでも見た目でも読みたくなる工夫をしていきましょう。
7.専門用語はわかりやすく
自社では当然の事で共通の言葉だと思ったものが実は専門用語だったりします。業界の専門用語には、注釈をつけるか、別紙に詳しい情報を添付するなどし、分かりにくさを排除しましょう。
8.一目見て一覧できるか
イラストや図解、または、データであればグラフや比較差別表など、情報に見合った、そして一目見てわかりやすいように一覧性を持たせましょう。
文字ばかりではどうしても分かりにくくなります。難しい専門的な事象も、イラストや図解で解説し、政府統計もグラフや表を添付することで、記者にも理解してもらいやすくなります。
9.固有名詞の扱い方
固有名詞は簡略化するのがセオリーです。自社であれば「当社」にしたり株式会社を「(株)」にしたり、またリリース中に何度も同じ言葉が出る場合は、「以下〇〇」のように併記します。
また、外国語の地名や人名の固有名詞に関しては、該当する言語を併せて記載しておきましょう。つづりなどが併記されていると、のちに記者が検索する際に便利です。記者や読み手に十分な気遣いをすることが、のちのちにつながるのです。
まとめ
プレスリリースは、記者に手に取ってもらう機会が本当に少ないのが現実です。
お伝えしたレイアウトの手法や表記のルールのひとつひとつは大変な技術を伴うものではありませんから、プレスリリースのレイアウトを少しでも工夫し、見やすく伝わりやすくすると読まれるリリースにつながりますので、ぜひ基本として押さえておきましょう。