記者やカメラの前では緊張する人が多いと思います。
しかも本番中に答えたくない質問が来ると、動揺してしまいます。本番ではどの点に気をつけて対応すればよいのでしょうか?
今回はインタビュー取材本番に、発言者がどこを意識して本番に挑むべきか、ポイントをまとめましたので、参考にしてください。
インタビュー対応のポイントとは?
インタビューの本番に、意識しておきたいポイントはいくつかあります。
まずは話の内容について、そして話し方や態度などにも気をつけていきましょう。
以下、詳しく解説をしていきます。
事実に基づいた回答をする
事前に上層部と打ち合わせておいたキーメッセージと内容を元に、企業として公表していいと認めたものだけを話します。
不安な場合は、想定問答集を手元に置いておくと安心です。
記者は事実に基づいて報道をするのが役割ですが、しかしこちらも事実のすべてについて話ができるわけではありません。事前準備で経営層や上層部と打ち合わせた際に、企業として公表できる範囲もまとめておきましょう。
結論からはじめて論理的に話をする
最近はメールでも企業内の文書でも言われることですが、結論から伝えるのがセオリーです。
まず結論を示しておき、その後理由、そして根拠を話すとわかりやすく伝わります。日本語の特徴として、結論は最後にいう習慣がありますが、最後の最後まで結論がわからないと、聞く人が途中で意味を取り違えたり、記憶に残らない場合もありますので、この機に結論から話す方法を身につけていきましょう。
数字と固有名詞は間違えない
間違った数字や、未公表の固有名詞やデータや計画などを公表してしまうと、大変な問題が生じることになりますので、気をつけましょう。
まだ未公表の売り上げ数値や、現時点では未発表のM&Aの企業名、水面下で進んでいる計画案など、発表してよいのかどうか曖昧な場合は、一度確認してから。発言してしまった後では取り返しがつきませんので、重々注意してください。
誘導尋問に乗らない
記者の質問にはいくつかパターンがあり、公式の場でも「個人的にはどう思われますか?」「大体の推測でよいのですが」などという質問をしてくることがあります。これは記者の誘導尋問。記者側のシナリオに合わせた回答をさせようという手段です。
同じ質問を何度も聞いたり、強く「イエス・ノーどちらかで答えてください」など、相手をいらだたせて答えを引き出す技を繰り出します。
誘導尋問に乗らないために、次のことを気をつけましょう。
- ポイントだけを短く話す。
- 「話してはいけないこと」をしっかりと定めておく。
- 未定の事項に関しては「現時点では」のように限定条件で答える。
- 個人的な見解は言わない
「ノーコメント」と言わない
ノーコメントは言わないと決めておきましょう。
都合の悪い質問に対して「ノーコメント」と答えると、記者にとってはかなり印象が悪く、悪いことにはさらに今の質問が「事実だ」「肯定した」と受け止められるのです。
「わたしはその件について話をする立場にありません。その理由としては〇〇だからです」のように答えましょう。
3つにまとめる
自社サービスを紹介したいあまりに、いくつもポイントをあげてもゲンナリされるので、「ポイントは3つです」と絞って伝えるのがコツです。
3というキーワードは印象に残るマジックナンバーとも言われています。そして3つなら覚えてもらいやすいので、ぜひ3つで紹介してみましょう。これはプレゼンに使われる手法です。
質問に動じないこと
記者は相手の表情や、ちょっとした動揺を見抜くプロです。
自分に不利な状況になるとどうしても記者の視線を避けたくなりますが、嫌な質問ほど記者に視線を合わせていきましょう。視線をそらした時、記者はその視線を見て「ああ、肯定しているんだな」と捉えてしまいます。
また不意の質問で驚くと、動揺して目が泳いだり不必要に手を動かしたりと、意図しなくても動作に出てしまいます。記者はそれを見逃しません。態度や表情に動揺を見せないためにも嫌な質問があったら、記者の視線を見ながらまずひとつ大きな深呼吸をして落ち着きましょう。
その他のポイント
・記者の名前を呼びかける
なるべく記者の名前で呼びかけるとスムーズなやりとりができ、好印象となります。
・インタビュー後も気を張る
実はインタビューが終了してホッとしたときこそ要注意です。記者はその瞬間に一番危険な質問をするのですから、気を抜いてはいけません。そこに不意な質問を投げかけられ「答えてはいけない」事項をポロッと口をすべらして話してしまった、ということがあります。
部屋を出るまでは気を張っておき、記者の言葉に注意しておきましょう。
まとめ
インタビュー取材本番に発言者が気をつけたいことをお伝えしました。
記者の質問にただ答えるだけではなく、こちらが伝たいポイントを押さえ、嫌な質問にも動じないよう事前準備をしっかりと整えて、本番に挑みましょう。