記者の元には、毎日何百何千もプレスリリースが届きます。その中から手にとって見てもらうには、どうしたらよいのでしょうか?
プレスリリースは原則書き方の決まりはありませんが、しかし上手な方のプレスリリースにはやはりある法則があります。
現役広報からお話をお聞きしましたので、プレスリリースを短期間で上達させる方法をお伝えします。
プレスリリースの基本を抑える
まずは、 プレスリリースについて理解すること。そして、なによりタイトルが命です。
記者に手にとってもらうために、抑えたい基本についてまとめてみました。
報道に向けて書く
視聴者、消費者むけではないことを念頭に置いて書きましょう。
商品のプレスリリースの場合、チラシになりがちです。社会課題を取り入れ、記者が記事に書きたいと思うリリースにするのがコツです。
書く前に、メディアをよく理解する必要があります。
- メディアはトレンドや傾向を語るのが好き
- 新しい動きやこれから起こることを語るのが好き
- サービスを通じて起こる消費者の変化や起こった事象を語るのが好き
メディアにあった提案ができることがベストです。
タイトルに一番時間をかける
記者は毎日、FAX、郵送やメールで届く何百何千ものプレスリリースのタイトルだけを流し見て、区分けするそうです。
ですから、一目で「おっ」と思ってもらえるように、タイトルには一番時間をかける必要があります。
上サブタイトル
記者が関心を持つキーワードを入れます。
今旬のキャッチーなキーワード(社会性・時事性・季節性のあるキーワード)を1つから2つ入れ、なぜ今とりあげるべきか、理由を作ります。
メインメッセージ
本当に伝えたいことを見極め、下記を意識してタイトルにします。
- 社会的インパクトや社会意義の要素があるか?
- No1や業界初の、新〜、関東最大などの単語を入れると目を引きます。
- 独自性(オリジナリティ、強み)を出す
- 数字があれば入れる
下サブスクタイトル
メインタイトルの補足情報(日時や開催場所など)
BADタイトル例
『夏はやっぱりバーべキュー!A5ランク牛の希少部位が選べる豪華焼肉セットを通販で販売開始!』
これでは消費者へのメッセージです。チラシにしか見えず社会インパクトはありませんので、こう変えてみました。
↓
『今年の夏は、「オーダーメイドお中元」
あのお店の豪華焼肉セットが通販で販売可能に
A5ランク牛の希少部位を自分でセレクト』
「オーダーメイドお中元」で新しいサービスをアピール(独自性)、夏・お中元で(季節性)がプラスされました。新しい形のお中元で記者の関心を引きます。
プレスリリースを上達するための技
テンプレートを利用する
プレスリリースを早く上達するためには、テンプレートを利用するのが近道でしょう。
プレスリリースの基本的な流れはこちらになります。
- タイトルは前項を参照
- 内容にあった写真で目を引く
- リード文→5W1H意識し簡潔に
- 本文
・課題(取り組みをする背景、社会課題)
・解決策(取り組みについて)
・取り組みの詳細 (サービスの構造、事例、開発者について)
・今後の展望や目標 - 会社概要 ・問い合わせ先
雛形ダウンロードをして使う
雛形を無料で使えるサービスがありますので、ぜひ使ってみてください。
WEBサービス、商品、外食、意識調査、実績、イベントなど、各項目に分けてテンプレートがありますし、テンプレを作成したPRプランナーのコメントがついているので作成しやすくできています。
https://value-press.com/samples
他社の真似をする
競合他社のリリースを検索し、好きなリリースを真似すると一番練習になります。
そのまま構成を真似しても、発信するメッセージが違えば、真似をしたのはわかりにくいものですので、どんどん真似していきましょう。
PRタイムスなどの配信ツールでは、他社のプレスリリースを見ることができます。
https://prtimes.jp/
https://www.atpress.ne.jp/
文章より、企画そのものが面白いかどうか?
プレスリリースは、企画力が重要なので、面白くなければ面白くなるよう加工する必要があります。
企画の視点を変更するか、もしくは自分でコントロールできなければ内容を決める段階からミーティングに入りましょう。
とにかく書くこと
客観的に書き、広報仲間や友達などにみてもらい、フィードバックをもらいます。
自社の中では当たり前のことが、実は当たり前ではなく面白いネタになるかもしれません。
他社とどう違うのか、あえて客観的に見て、自社は業界の中でどのポジションにいるのかを確認し、プレスリリースに落とし込みましょう。
メディアリレーションを作る
話を聞いてもらえる記者の人脈を作ることも短期間で上達する近道ですので、ぜひ記者との繋がりにも力をいれてみてください。書いたプレスリリースを直接見てもらえたり、今興味を持っていることを直に聴けるため、上達するにはもっとも適した方法かもしれません。
まとめ
プレスリリースを短期間で上達する方法をお伝えしました。
リリースに正解はありませんので、情報が伝わればOKです!ただ、メディアの関心を知った上で、正確に過不足なく伝えましょう。
タイトルは一番時間をかけ、雛形やテンプレ通りに本文を書き、あとはひたすらアウトプット。ぜひためしてみてください。