メディアトレーニングは二通りあります。
個人に対するインタビューと、一斉発表(記者会見)に向けて行うトレーニングの二通りです。
今回こちらの項目では、個人インタビューに向けたメディアトレーニングのポイントについて解説します。
インタビュー取材に対し、どういった心構えが必要で、どのようなトレーニングを行うのでしょうか?
個人インタビューに備える
メディア記者との個人インタビュー(面談)は、経営幹部にとって一斉発表に並び、自社の商品やサービスを伝える重要な場です。
インタビューのテーマは、重要な外に漏らしたくない経営上の情報であったり、こちらが回答しにくい情報であったりする場合もあるでしょう。記者とのやり取り次第で記事の出方は変わります。ですので、自社のイメージアップを図り、世間への認知を広げるためにも、本番前にきちんとリハーサルを行い、準備をしていきましょう。
発言者の心構え
普段、自分がどのように周囲から見られているか、わかっている人というのはなかなかいないでしょう。実際には、自分の癖や話し方がどう思われているか、何もわかっていないものです。それを改善するためには、本人がそれを自覚して直そうと思うしかありません。発表者は、自分でコントロールできることに注力してもらうしかないのです。
- 発言内容
- 勢や態度
- 話し方
- 表情
- 服装外見
メディアトレーニングをするときには、必ず動画撮影をおすすめしています。
撮られる本人は気分が良くないため、嫌がる人がとても多いのですが、しかし実際に自分が普段どのような態度で人と接しているのかを確認するということは、とても大事なことです。自分の話す姿を自分で見て「俺はこんなに横柄な態度をしているのか」「こんなクセがあったんだ」と自覚する人がとても多いのです。
椅子にのけぞって偉そうに座っていたり、 顔をすぐ触る癖があったり、人それぞれクセがあるものです。そしてそれは自分で自覚してもらうことでしか改善できる見込みはありません。
インタビューで心がけたいポイント
また、発表者が心がけたいポイントは以下です。
- 自分の言葉で話し、発表する内容を棒読みしない。
- 姿勢を正し、毅然とした態度で
- 発表前、発表中と全体を見る余裕を作る
- ゆっくり話す
- キーメッセージを必ず盛り込む
- 目線を相手に合わせる
是非動画撮影をメディアトレーニングに導入し、メディアに対するレベルアップを図りましょう。
リハーサル前の準備
あらかじめ、記者に対して質問事項や取材のテーマを聞いておきます。取材依頼書があれば、それを出してもらえるとベストです。以下のものを確認しましょう。
- 記者が書きたいテーマ
- 質問の概要
- 記者の経歴や今までの記事
- カメラ撮影の有無
- 一社(ひとり)だけの取材なのか、多数に取材するうちのひとりなのか
- どのようなメディアでの記事掲載か(日、紙面、コラム名など)
取材用資料の作成
テーマによって各部門の協力を得て資料を作成し、準備をする。
想定されるQ&Aも書き出し、担当部署とすり合わせを行う。
リハーサル
記者役には広報担当者、また重要案件においては外部専門家に頼むとよいでしょう。リハーサルには同席する人も参加し、動画でも撮影します。
Q&Aに基づいて インタビューのリハーサルを開始。
記者からの質問に答えていく際に、広報担当者は経営にかかわる数字の問題がないか確認していきます。
売上高や生産数などのこまかい数値や今後の見通しや経営方針など、発言にずれがないかチェックをしていきます。
動画チェックとレビュー
- 動画を確認し、 発言者の態度話し方などをチェックし、レビュー
- キーメッセージがしっかりと盛り込まれているか確認
- 想定問答集Q&Aについて問題がないか再度確認
本番に向けての最終準備
①身なりの確認
洗面所で確認する。ネクタイに緩みはないか?
②入室時
姿勢を正しくして胸を張り入室。記者を見る余裕。
③一礼
座る前に胸から上だけを曲げて一礼する。角度は30°から60°で。
④ 読み方
読まずに自分の言葉で、力強い声で伝える。いつもよりも少しゆっくりめに話す。数字は見ながら確認しましょう。
⑤表情
明るく時には笑顔を持って。
⑥視線
目線を記者に合わせる。
⑦退席
姿勢を正して一礼をして退席する。
まとめ
インタビュー取材前に予めメディアトレーニングを行うことで、自社をどうアピールすればよいのかが理解でき、そして何より落ち着いて臨むことができます。
ただ質問に対する受け答えの練習ではなく、ビデオ録画により自身がどのように他者から見られているのかを確認することもできるため大変効果的です。
以上、個人インタビューのメディアトレーニングのポイントを解説しました。