広報の本やWEBサイトで情報収集していろいろ試しているのに、「顧客の反応が薄い」「ピンとこない」と感じることがありますよね。
「そうはいっても、これ以上新しい『アイデア』がなかなか出ない」とお考えの広報担当者の方にこそ試してほしい、顧客に響く『アイデア』の出し方があります。
今回は『アイデア』について、そして発想の転換を促す『オズボーンのチェックリスト』についてお伝えします。
『アイデア』を出すためのステップ
『アイデア』とはもともと「物事に対する考え方・発想」という意味の言葉です。
「発想」というと難しく思えるかもしれませんが、ステップを踏んでいくことで、いままで思いつかなかった『アイデア』が出てきます。
それでは最初のステップ、ターゲットを設定するところから始めましょう。
ターゲットを設定
まず、自社のニュースを発信する時を考えてみましょう。
「新発売の商品 : ほこりをぐんぐん吸い込むスティック式掃除機」
このニュースを売り込むための『アイデア』はなんでしょうか?
まず初めに考えられるのが「ほこりをぐんぐん吸い込む」という性能に関してです。
では、それを前面に押し出したニュースが一番効果的でしょうか?
答えはNOです。
なぜならばPRするターゲットが設定されていないからです。
どのニュースや企画でも、まずはターゲットを考えなくてはなりません。
ターゲットがマスコミなのか、消費者なのか、男性なのか女性なのかについても『アイデア』は変化していきいます。
(ターゲットの詳しい設定の仕方については「企画はゴールから考える!効果的な企画の立て方とは」をご覧ください。)
なにが一番魅力的に見えるのか
次に、ターゲット別に先ほどのスティック式掃除機について考えてみましょう
- 40代共働き女性 : スティック式なので軽くて家じゅうどこでも運べる
- 20代新社会人 : 初めての一人暮らし、ワンルームの部屋でも場所を取らない
- 30代子育て世代主婦 : アレルギーにはクリーンな部屋を。部屋のほこりをすべて吸い込むパワフル掃除機
- ライフスタイル誌 : どんなインテリアにもなじむスタイリッシュなフォルムのスティック掃除機
- トレンド情報誌 : 従来品とここが違う!消費電力が1/3なのに回転数が〇倍のモーター使用
同じスティック式掃除機でもターゲットが違えばこれだけ違うPRができます。
つまり、ターゲットに対して「なにが一番魅力的に見えるのか」というのが広報担当者が出せる顧客に響く『アイデア』なのです。
複数の『アイデア』を考える
自社製品の情報を発信するとき、ターゲットは複数の場合がほとんどです。
また、例え同じマスコミがターゲットだとしても、それがテレビか新聞か、雑誌なのかWEBメディアなのかによっても売り込む『アイデア』は変わります。
同じひとつのニュースや企画でも、常に複数の『アイデア』を考えるように習慣づけておくと、ターゲットごとに響くPRができます。
また、自分自身の自社製品に対する見方も変わってくるでしょう。
自社製品の魅力をさまざまな『アイデア』から見られるようになると、PRの幅も広がっていくでしょう。
発想の転換をうながすオズボーンのチェックリスト
ブレーンストーミングを発明したアメリカのアレックス・F・オズボーン氏によって考案された発想法が『オズボーンのチェックリスト』です。
もともとはある物事に対して発想の転換をさせるためのチェックリストです。
『アイデア』に煮詰まったら『オズボーンのチェックリスト』と、先ほどの「スティック掃除機」を例に私用し、発想の転換を試してみましょう。
『オズボーンのチェックリスト』
- 転用 従来の使い方の他に使い道はないか?
→ 網戸の掃除にも使うことができる - 応用 似たアイデアはないか?似た商品はないか?
→ (ダニ取り専用掃除機から)布団のダニ取りにも使える - 変更 印象、色、形など、変えられるところはないか?
→ 部屋や好みに合わせて数種類のバリエーション、限定カラー - 拡大 機能、形、大きさなどを大きくしたらどうなる?
→ 最上級のモーターを使用した吸収力最大の特別仕様品 - 縮小 機能、形、大きさなどを小さくしたらどうなる?
→ 力のない人でもどこにでも移動できる最小軽量タイプ - 代用 他に代用できるもの、変えられるものはないか?
→ バッテリーが非常用電源にも使える - 置換 入れ替えてみたらどうなる?置き換えてみたらどうなる?
→ ほうきと同じくらい場所を取らないスリムなフォルム - 逆転 前後、上下などあらゆることを逆転してみる
→ (吸引力の逆)フィルターについたホコリを簡単に吐き出せる - 結合 色々なものや商品と組み合わせてみる
→ 同じメーカーの電化製品で同一のカラー展開
まとめ
『アイデア』という言葉についてお伝えしてきました。
ターゲットによってアイデアの使い分けができると、比較的新製品が少ない業界やBtoB企業でも、今手元にあるニュースを新しい企画に作り上げてPRできます。
ニュースや企画に対して常に発想の転換を試みて、複数のターゲットがいても、それぞれに一番響くPRを考えていきましょう。