日本の企業の中の99%にあたる約380万(2014年時点)社が中小企業です。
これだけの数の中小企業で、他社から一歩抜け出すためにはどうしたらよいでしょうか?それには、広報が積極的に関わった企業のブランディングが必要です。
今回は広報が関わる中小企業のブランディングについてお伝えします。
中小企業に必要なブランディングとは
日本は中小企業の割合が多く、約380万社もの企業が存在しています。その中で消費者から選ばれ続けていくには、広報が企業のブランディングに関わる必要があります。では、ブランドとはなんでしょうか?
ブランド・ブランディングとは

「ブランド」というと高級なイメージがありますが、それは違います。ブランドを作る目的とは他社との差別化です。380万もの企業の中で埋もれずに消費者に選んでもらうには「ここでしか得られない価値」を認知してもらうことが一番です。
例えば「ハンバーガー」と聞いてぱっと思いつく企業はどこでしょうか?
今その企業を思いついたのは、なぜでしょうか?これが、ブランドの力です。つまり、「〇〇といえばこの会社」とパッと思いつく企業はブランド化に成功しているといえるでしょう。
ブランディングとはブランドを形作るための活動のことです。
ロゴマークなどの商標や、パッケージ、販売する店舗、キャッチコピー、ストーリーなど様々な要素が加わってブランドを形作っています。
それらの要素を使って消費者への認知を広めていく活動が、ブランディングです。
広報活動の中には消費者への自社、もしくは自社製品の認知を広げていくという活動があります。
つまり広報活動は、ブランディングだともいえるのです。
ブランドを考えるときに広報が積極的に関わる、もしくは主導することで、その後の広報活動の方向性も決まっていきます。
中小企業のブランディングには、広報の存在がが欠かせないのです。
ブランディングの種類と3つの柱

大企業ではブランディング専門の部署や担当者がいることが多いですが、中小企業はそこまでの予算を割けなかったり、専任の担当者がいなことがあります。
その中で大企業に負けない自社の魅力を引き出すということが中小企業に求められるブランディングです。
インナーブランディングとアウターブランディング
ブランディングにはインナーブランディングとアウターブランディングがあります。
アウターブランディングは企業が社外や消費者に向けて行うブランディングですが、インナーブランディングとは社員に向けて行うブランディングです。
経営者のヴィジョンや自社ブランドのイメージを社員にしっかりと意識してもらう、またそれにしたがって行動し業務の質を高めていくことがインナーブランディングで、アウターブランディングと同じくらい重要です。
ブランディングの3つの柱
ブランディングには3つの柱があります。
1 : ブランディング・コンセプトの設定
最も重要となることがブランディング・コンセプトの設定です。
「誰が」「何を」「どのように」売るのか、それがブランディング・コンセプトです。ブランディング・コンセプトは消費者が商品に求める「価値」ともいえるでしょう。
2 : ターゲットの設定
「誰に」の部分に当たるのがターゲットの設定です。誰に対して売りこみたいのか、ペルソナを設定します。いろいろなひとではなくターゲットを絞ることによりブランドイメージを固めることができます。
3 : 市場の設定
「どこに」売りたいかの部分です。
市場は商店街なのか、スーパーなのか、オンラインなのか、によってもイメージが変わります。ブランディング・コンセプトとターゲットに沿った市場設定と調査を行うことが重要になってきます。
ブランドをの価値を高めていくには
ブランドは、長い時間をかけて蓄積していくものです。例えば、ある商品のパッケージで「去年のテーマはイエロー」「今年のテーマはブルー」、といったように次から次へとイメージを変えていくと目新しさはあっても消費者の記憶には残りません。
パッケージが変わってもいつも同じ「ブルー」で統一されてれば、「ブルー」を見たときにその商品が思い浮かぶ、それがブランドとしてのイメージになります。
さきほど例に出した「ハンバーガー」のブランドを思い浮かべてみてください。長年、同じ色で統一されていると思います。
変わらないイメージを保ち続けることが、ブランドの価値を高めていくことにつながります。
「お得感」はブランディング・コンセプトとなるのか
「業界最安値」といった値段の「お得感」を前面に押し出すのは、ブランディング・コンセプトになるでしょうか?
もちろん同品質なら消費者は値段の安い方を買いたいでしょうし、一時的には売上があがるかもしれません。
しかし、同品質でさらに安い商品を出す企業が出てくるかもしれません。消費者もすぐにその値段に慣れてしまい、さらに「お得感」を求める時がくるでしょう。その時に、競合他社や資本のある大手企業と値段で勝負し続けることは難しいと思います。やはりブランディングには「この企業でしか得られない価値」が必要なのです。
まとめ
中小企業のブランディングについてお伝えしました。
広報は自社の魅力を一番理解しています。その魅力をブランドとして形作ることで、大企業に負けない魅力が生まれます。積極的にブランディングに関わっていきましょう。